現役石油元売り社員の呟き

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出光興産 株主総会 2019年決算説明 つづき

出光興産 株主総会 2019年決算説明 つづきです。

 

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燃料油については、ガソリンがマイナス12パーセント、軽油がマイナス8パーセント、JET燃料がマイナス50パーセントを前提にされています。これは、コロナ影響については、通期にわたり継続するということを前提に業績予想を作成しています。

ベトナムについては、数量の影響はほとんどありませんが、シンガポールでのマージンが潰れている影響を考慮しています。また、基礎化学品については、需給の悪化に伴い、各製品の市況が低下することを見込んでいるようです。

高機能材については、自動車向けがかなりのシェアを占めていますので、自動車向けの需要が減少することを想定されています。 

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製品マージンについては、前年のタイムラグ等が解消することからプラス851億円を見込んでいるようです。そのため大幅な増益を見込んでいます。

基礎化学品はマイナス119億円で「0」という見込み。こちらもコロナ影響による需要減、製品マージンの縮小を見込んでいます。

高機能材についても、マイナス284億円ということで「0」を見込んでいます。こちらも自動車向けの需要がかなり減少しているということで、潤滑油でマイナス150億円、ポリカーボネートの需要減でマイナス100億円、電子材料他でマイナス34億円を見込んでいるようです。

電力、再生可能エネルギーについては、マイナス45億円を見込んでいます。電力事業については、前年度の火災の影響がなくなるというプラス要因もありますが、ソーラー事業がパネルの需要の減による減益となるだろうと見込んでいるようです。

石油開発は前年度からマイナス208億円で、マイナス30億円という見込みですが、こちらも原油価格下落による減益を見込んでいます。ブレントの価格が前年対比約34ドル減少することによる影響が大きくなっています。

石炭は前年度からマイナス240億円で、こちらも石炭価格の下落による減益を見込んでいます。NEWCの価格については、前年対比で22ドルから23ドルの下落であり、この石炭価格の下落を見込んでマイナス240億円ということです。

コロナの影響による需要減を受け、現在は出光興産製油所の稼働調整を予定しています。というのもガソリンタンクも各元売りと融通しておりますが、ジャバジャバの状態が続いており、製油所の稼働調整が必須のようです。(製油所同期の担当談) 

それにしても配当未定ということがとても気になりますね。ただ、原油価格が底値を経て、また上昇傾向にあります。少なからず期待しても良いのではと、石油業界に身を置く私の個人的に思っています。

 

 

 

出光興産 株主総会 2019年決算説明

2020年5月26日に行なわれた、出光興産株式会社2020年3月期決算説明会の内容を少しずつ書き起こしてみました。

 

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1つ目

原油価格の急落がこの2019年度の決算に大きな影響を与えています。在庫評価損、ならびにタイムラグが約1,600億円出ているということで、これが今期のもっとも大きなポイント。

2つ目

新型コロナウイルス感染拡大の影響については、3月時点ではまだそれほど大きくなくガソリン、軽油で数量的にはマイナス10パーセント、JET燃料でマイナス50パーセントというところ。一方で、4月、5月とさらに減少幅が大きくなっている。

4つ目

ベトナムニソン製油所について。昨年末に設備の検査、補修工事が完了して以降、フル稼働を実施中。今期個別決算で当社が保有する株式については減損処理を実施し、関係会社株式評価損339億円を計上。

 

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赤のラインが2019年度の油価の推移。1月以降の下落は異常ですね。

3月に原油価格が急落しており、33ドル70まで下がり、4月にいったん20ドルまで落ちた後、現在は34ドルから35ドルへ回復。

それでも2018年平均69$、2019年平均60$と比べると下がり過ぎですね。

ただ、私は今が底値とよんでいます。地政学的リスクですぐに原油価格は反動を受けることがあるので、足元は様子見かつ我慢の時期かと。

 

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燃料油は891億円の減益です。数量、製品マージン、原油プレミアムということでマイナス748億円となっています。販売数量については、前年対比で約300万キロ販売が減少しています。これによる影響で287億円のマイナスです。

製品マージンについては約1.4円改善しており、これによる要因が431億円あります。一方、油価の急落によるタイムラグの影響がマイナス608億円あります。また、ドバイと我々の処理原油の差、いわゆる原油のプレミアムが昨年度上がったことによるマイナス284億円があります。これらを合計してマイナス748億円ということです。

基礎化学品のセグメントは、製品マージン他でマイナス385億円です。製品マージンについてはパラキシレン、スチレンモノマー、ブタジエン、ベンゼン等、あらゆる製品でマージンが縮小しており、これによる影響がマイナス288億円あります。

高機能材セグメントはマイナス48億円ですが、これはポリカーボネートの市況下落による価格要因による影響です。

電力・再生可能エネルギーについては、ES事業でプラス115億円となっています。昨年計上した海外特定案件に対する製品保証引当金等がなくなった反動を主要因として、前年からは改善しています。また、経費削減なども効果が出ており、これによってプラス115億円となっています。電力事業については、統合によるのれんの負担がマイナス32億円効いています。この他、水江発電所の定修、京浜バイオマス発電所の停止の影響など、合わせてマイナス45億円となっています。

石油開発セグメントはマイナス193億円ということで、数量、価格要因でマイナス203億円です。数量については、北海の自然減、スノーレ油田の装置のトラブルがあり、前年対比で約217万バーレル減少し、生産量が減っています。これによる数量要因がマイナス142億円です。価格要因はマイナス61億円で、前年にブレントが71ドルあったものが、当年は64.3ドルということで、バーレルあたり約6ドル70下がっているという影響です。探鉱費、他でプラス10億円ですが、これは試掘本数の減少による探鉱費の減です。

以上、ざっくり書き起こしてみました。

【豆知識②】石油業界、石油について

今日は、国内の石油製品の需要量推移を見てみましょう。

このグラフは、経産省の資源エネルギー統計が出所です。

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2018年度は、1995年(約四半世紀前)がピークで、今はその3割強、需要が大きく減退してしまったことがわかります。右肩下がりの傾向が今後も続く見通しです。

なお、この数字は石油製品全般すなわち重油軽油、灯油、ジェット燃料、ナフサ、ガソリン等燃料油の国内需要推移です。

  石油製品需要は極めて厳しい!!

 

続いてサービスステーションの数も見てみると、同様にピーク時から大きく減少しています。

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ハイブリッド車などの高効率で燃費の良い車や、EVの普及、消費者のライフスタイルの変化があるのと、

業界の再編が進んでいることが大きな原因

でしょう。これにより無駄な近くに位置しているサービスステーションとの価格競争が起こらなくなりました。つまり、ガソリン価格が高止まりする一方で、サービスステーションの経営者と石油元売りのマージンが確保される構図となっています

 

次に、日本国内の石油製品にかかる税金についてみてみましょう。

石油製品には多くの税金が課せられます。

輸入原油には¥2.8/Lの石油石炭税が、皆さんに身近なガソリンを例に挙げると、¥53.8/Lのガソリン税が、そしてそれら商品には別途消費税が課せられます。つまり、下記の通り、ガソリンの小売価格の約半分が税金であるわけです。

 

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皆さんが購入しているガソリンの価格の半分は税金という中身になっています。

 

 

 

【豆知識①】石油業界、石油について

今回は、石油業界、石油に関する豆知識をお話しできればと思っています。

 

まずは、原油確認埋蔵量と可採年数の推移です。

 

昔から石油は無くなるんじゃないかと、言われてきましたが間違いなく無くなりません。笑

 

諸説ありますが、確認されている原油の埋蔵量は、採掘技術の向上、進化によりずっと右肩上がりで増加してきています。ここ数年横ばい傾向ですが。

可採年数は埋蔵量をその年の生産量で除した数字です。だいたい50年程度で推移しています。

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原油の埋蔵量を国別でみると、世界最大の確認埋蔵量はベネズエラであり、長期間1位であったサウジアラビアは2010年以降2位です。また、1960年にイラクの呼びかけでサウジ、クウェート、イラン、ベネズエラの5ヶ国で結成された石油輸出国機構OPECは、70年代の最盛期には原油生産の過半数を占めていました。その後の油田開発生産技術の進歩によって、非OPEC諸国の台頭、幾多の中東紛争を経て4割程度で推移しています。

 

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 続いて原油価格について、見てみましょう。まず世界では大きくわけて3つの市場が形成されています。

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欧州のICE(インターコンチネンタル取引所)、NYMEX(ニューヨークマーカンタイル取引所)、TOCOM(東京商品取引所)などが挙げられます。

それぞれの主要原油銘柄ですが、

ICE/北海ブレント:北海産原油の欧州市場の基準銘柄

NYMEXWTI:米国産原油の米国市場の基準銘柄 West Texas Intermediate

TOCOM(東京商品取引所)/ドバイ原油:アジア市場の基準銘柄

となります。これは覚えておいて損はないです!

基本、日本での石油ビジネスを考えるうえでは、ドバイ原油を参考します。

折れ線グラフを見ますと、2000年代に入ってから原油価格は大きく上昇し、更に地政学的なもしくは世界的な経済情勢に大きくされて乱高下してきました。

最近も、新型コロナウイルスの感染拡大に大きく経済活動が停滞し、価格下落が続いていますね。個人的見解ですが、今は原油は底値かと思いますので、これから石油関連株も上昇していくのではないでしょうか。と推測しております。

もし良ければDMM証券での口座開設 もおすすめですので、是非ご覧ください。

それではまた。

【決算洞察】出光興産 事業別分析 2020年3月期

今回は石油元売り出光興産の決算発表が先日終わり、事業別分析をしてみます。

まずは主要なビジネスかつ主要な収益源である燃料油事業について。ガソリン数は毎年減少しており歯止めがかかっていない状況ですが、収益源であることは変わりません。

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まずは、燃料油事業に目を向けてみます。

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利益面では、-1,093.7億円(前年同期比491.24%減)と赤字転落となっています。一方で、売上面では、原油価格が下落しているが、昭和シェルとの経営総合の影響により増収となっています。

 

次に、資源事業です。

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資源事業については、特に石油開発セグメントに置いて、生産量が約170万バレルほど減っています。これは油田の減衰の影響と、それから一部、スノーレ油田でのトラブルの影響です。(これによる金額インパクトがマイナス131億円)

探鉱・為替他でプラス7億円です。探鉱費の減、それから操業費のアップ、為替はNOK安が進んでいますので若干のプラスで、これらを合わせまして、プラスの7億円という状況。

次に、基礎化学品です。

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基礎化学品セグメントですが、大きな減益要因は製品マージンの縮小で、197億円の減でした。主にパラキシレン・ミックスキシレン、それからSMベンゼンのスプレッドが縮小していることが主な要因となっているようです。

 

いずれの事業においても非常に厳しい結果となっておりますので、これからの石油元売りの活動について、注視して見て参りたいと思っています。

次の会では、他の石油元売りの決算状況についても目を向けていきたい思います。

【決算洞察】出光興産2020年3月期

出光興産2020年3月期の決算、来期予想含め簡単に振り返りたいと思います。

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原油価格やナフサ価格が下落するも、4月1日に実施した昭和シェル石油株式会社との株式交換による経営統合などにより見かけ上増収となっております。

 

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燃料油セグメントにおける在庫評価、及び資源セグメントにおける生産量減少や資源価格の下落の影響により減益となっている状況です。

 

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昭和シェル株式の段階取得に係る差益や前年度に計上した固定資産の減損損失、LPG事業に係る違約金負担額の減少なども、資源セグメントでの減益などにより最終減益となっています。

 

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来期は大幅黒字予想です。

 

次は、事業別決算収支を見ていきたいと思います。

 

 

tsukaponny

【決算】石油元売り大手3社 出揃う

石油元売り大手3社の2020年3月期連結決算が、出光興産の今日の決算発表で出そろいましたね。新型コロナウイルスの感染拡大の影響で軒並み業績が悪化していて、最終損益が

最大手の JXTGホールディングスは1879億円の赤字

コスモエネルギーホールディングス281億円の赤字

今年4月に昭和シェル石油経営統合した出光興産は229億円の赤字

となりました。

急激な原油安により備蓄している在庫原油に評価損が生じ、純損益が3社とも大幅赤字に転落している状況です。

 

【在庫評価損益の背景】

基本的に石油元売会社は中東産油国を中心に原油を調達し、約3週間〜1ヶ月かけて、VLCCと呼ばれる大型船舶で、プカプカ輸送します。

■国内製品価格:足元の原油価格に連動

■売上原価  :産油国で積んだ地点の価格

を前提とした場合、つまり3月に原油価格が大幅に下落した影響で、各社で大幅に評価損が発生している状況となっています。1ヶ月前に高く買った原油を、足元の原油価格に連動し現在安値で石油製品を売らざるを得ないというイメージです。

つまり、各石油元売は自社努力で黒字にできない状況ということです。ですので、現在原油はなだらかに上昇傾向にあるので、これから逆の在庫原油評価益がプラスになる方向に働くということです。

それにしても出光興産の配当方針は素晴らしいですね。(下記は2019年4月〜2020年3月)

私は、出光興産600株程度所有しているので、600X160=96,000円の臨時収入でした。笑

是非、石油元売の配当にも注目してみてください。こちらのDMM.com証券 はおすすめなのでぜひご検討ください。

 

 出光興産 配当金

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次は、もう少し各社の決算内容に注目してみたいと思います。

 

tsukaponny